このDVDは、東日本大震災当日の2011年3月11日に、岩手県の宮古市役所で撮影された「津波映像」をノーカットで収録しており、市街地に流入した津波の動きを映像解析し科学的な視点から解説しています。また、津波に遭遇して生き残った人びとの貴重な証言から彼らの当日の行動を検証し、人間の体力と津波の動きとのかかわりから浸水段階に応じた避難行動を考察しています。津波を経験したことがない人にも、堤防を越えた津波の本質を理解してもらい、いざという時に津波から自分自身の命を守り、津波に強い地域をつくって頂きたいという思いから制作しました。
著作者の岩船昌起は、岩手県宮古市出身です。東日本大震災では津波によって実家が全壊し、知人などが亡くなりました。宮古市から「津波映像」を研究資料として頂いた著作者は、毎月1回1週間程度の現地調査を行い、友人や知人から聞き取った「津波からの避難行動」と「市街地での津波の動き」との関係についての研究を始めました。この研究成果を論文にもまとめましたが、津波の本当の姿を多くの人びとに知ってもらうには「映像」で伝えた方が良いと考え、南九州ケーブルテレビネット株式会社(鹿児島県霧島市)の協力を得て、このDVDを制作することとなりました。なお、津波の危険性を世界に訴えるための英語版も本年に発売予定です。
このDVDの売上は、著作者の強い希望により、制作費と販売費を除き、長期にわたって継続的に岩手県宮古市に寄付されます。東日本大震災から1年を経過しましたが、長い時間がかかる「被災地の復興」のために、元気な鹿児島から被災地を支援する事業を展開します。
<本報道発表に対する問合先>
岩船昌起 志學館大学 (鹿児島県鹿児島市)( iwahune@shigakukan.ac.jp )