IT WON’T BE LONG
 イントロなく突然ボーカルから入る手法は、デビュー当時からの得意のスタイル。最初からサビで歌いメロ、サビ、大サビも得意のようだ。ジョンの後にポールとジョージが元気良く、「Yeah!」という、掛け合いコーラスは、「she loves you」 を匂わせている感じだ。途中、ジョージがいい損ねているが、コレがなかなか、いい味を出している

 ジョージ役の人はライブで同じようにすると、マニアはニヤリである。大サビの所では、ジョンのボーカルにあわせ美しいハーモーニーとなっている。この美しいハーモニーのアイデアは、おそらく、ポールのアイデアじゃないかと思う。ポールは、ジョンやジョージに「こうやってみよう」と言ったんじゃないかなぁ。メロディが、ポールっぽいからだ。

 ポールのプレイを聴いてみると、正確なリズムで、8ビートパターンを弾いているが、途中、グリスを入れて、曲に変化を見せている。小さい事だが、コレがいい感じを出している。

  

ALL I’ve GOT TO DO

 ジョンの甘く切ないボーカルから入るナンバー。リズム&ブルースの影響を受けたのかいい曲になっている。ジョンの甘く切ないボーカルの魅力は、初期の作品の中では、1、2番を争うくらい最高だ。それと、ジョージとポールの2声のハーモニーも美しい。

 ポールのプレイは、最初の所で得意の引っ掛けから入り、なんと和音弾きをしている。ここでも、リンゴのドラムとの絡みのコンビネーションは、曲をいい感じにしている。

  

ALL MY LOVING

 初期のビートルズのライブでも必ずといっていいほど演奏された曲で、ポールが大好きなナンバー。曲を聴いてみると、各メンバーのプレイは、初期の名作でも最高の部類に入る。まず、得意の、イントロなく入るボーカルは、ポールのダブル・トラッキングで始まり、ジョンの3連で刻むりズムギターは、曲を引き立てている。この、ジョンの3連は、あのリッケンバッカー325のカラフルな音色を最大限に引きだし、強すぎず柔らかく手首を使ったオルタネイトストロークをしている。このカッティングはやってみると、すごく難しい。普通の3連はできるが、ジョン独特の3連は、ジョンを詳しく知っていないとできない。アップストロークが独特なのである。

 ジョージは、間奏でチェット・アトキンス奏法を聴かせてくれる。これは、ジョージが好きなカントリー・ウェスタンのチェット・アトキンスの影響を受けているもので、ピックと指で弾いている。
 リンゴは、今までにないリズムを刻んでいて、スキッフルに似た感じで叩いている。ライブでもそうだが、リンゴは、スティックを左右に振り、手首をスナップする叩き方で、独特なリズムと音を出している。

 ポールは、得意中の得意、18番といってもいいランニングベース(4ビート)を弾いている。とにかく、このメロディー・ベースラインは、メロディー・メーカー、ポールの最高傑作に入るベースプレイである。初期では無かったボーカルとベースがメロディーになり、動きまわっている。モータウン大御所、ジェームス・ジェマーソン(べーシスト)からの影響が感じられる。そう、ジャズのイメージが感じられる。3番目の歌は、ポールが3度でハモルが、ライブではジョージが下をポールが上を歌っている。ここで、よくベースを聴いていると、3番目の「I’ll miss you」のmissの所でベースが間違っている。間違ってもO.Kにしてしまうプロデューサー・ジョージ・マーティンは、なんかすごい。

  


DON’t BOTHER ME

 ジョージの初のオリジナルナンバー。それまでジョージの曲はとりあげられてなかった。ジョンとポールの作品とは違う、異色な作品だ。ジョージが病気の時にベットの上で書いた曲だが、ジョージは、この曲はあまり気に入っていないみたいだ。演奏面でも初期にしてはいろんな楽器が入っているが、なんか、パッとしない曲だ。ポールのべースは、いつもより手数が多く、動きまわっていて、初期にしては珍しいプレイだ。

  



TILL THERE WAS YOU

 ブロードウェイミュージカルで有名な曲をポールが歌っている。オリジナル曲とはちょっと違く、彼らなりにアレンジしている。一番耳がいくのは、ジョージが弾くクラシックギターだ。後の曲でも使用しているが、何でこのギターを初めて使ったかは、多分、ジョージが目標としていたスペインの偉大なギターリストのセゴヴィアが使っていたからじゃないだろうか。ジョージはセゴヴィアを意識して、俺も彼のようなプレイをして見ようと思ったんじゃないかなぁ(多分)。

 ジョンのギブソンJ−160Eのカッティングやコード進行はひねりがあり、いい感じだ。ポールは、ボーカルと落ち着いたベーシックなプレイをしている。ポールお気に入りの曲で、エド・サリバンショウや英国王室のロイヤル・バライティに出演し、エリザベス女王やその他の貴族の人にこの曲を歌っていたっけ。

  

LITTLE CHILD

 この曲を聴いて、真っ先に耳がいくのは、ジョンが吹くブルースハーモニカだ。ジョンは、他のメンバーよりハーモニカが上手く、トレモロやグリスアップなどのテクニックは、すごく上手い。演奏面でもあまり凝ったものではないけれど、しいて言えば、ポールが初めて弾くピアノが聴けるというくらいだ。

 ベースプレイを聴いてみると、8ビート連続のロックンロールパターンで、「I saw her standing there」のベースパターンを匂わせている。ブルース曲を感じるが、実際探ってみると、12小節のブルース形式でないことが分かるので、ブルースっぽいロックン・ロール曲といったほうが近い。

  


PLEASE Mr. POSTMAN

 モータウンのマーヴェリッツが、61年にヒットしたナンバーをビートルズがアレンジカバーしている。12年後の75年には、あのカーペンターズもアレンジカバーしているが、一般に知られているのは、カーペンターズの方かもしれないが、ノリ、ドライブ感はビートルズのバージョンの方が断然良い。。この曲を聴くと、ジョンのボーカルとポール・ジョージの掛け合いコーラスは元気が良く、ノリがでている。シンプルなコード進行なのにこんなにノリが良いのは、デビュー前からの演奏経験がモノをいっている。まるで、ライブを聴いているようにさせてくれるのは、さすがである。

 ポールは普通の8ビートパターンを弾いているが、さすがだといわせてくれるプレイをしている。最初のメロに入る前に、フィル・インの半音進行で(Cから半音下がってAコードへ)3度からトニックへのバッシングからベースがはいっているのである。センス、バッチグウだポール!

  


  

ROLL OVER BEETHOVEN

 チャック・ベリーの曲をジョージが歌っている。デビュー前はジョンが歌っていた事は有名な話。ライブでも見られるが、初期のジョージを印象づける曲でもあり、イントロで弾いているギターは、あの、ブライトでクリアな音が出るカントリージェントルマンだ。ギタープレイは、ロックン・ロールの基本を弾いているので、勉強になるプレイだ。

 ベースプレイも、ロックン・ロールのフレーズで、8ビート連続を弾いており、ライブでも見れるが、ポールは、ピックで素早くダウンピックしていて、音にアタックを付けている。

  


  

HOLD ME TIGHT

 ポールのロックン・ロールナンバーで、前作の「please please me」でも録音されたが、選曲されず、再びこのアルバムでリメイクされた曲。この曲では、あまり大きくベースの音が聞こえない。ギターのリフと同じに弾いているようにしか聞こえないが、所々、違く弾いている。よく聴いてみるとポールは、小節のつなぎ部分で半音や1音のスライドを使っていて、多少、変化を見せている。

 初期のベースの音は、後期より音が小さく録音されているので、後期の曲のようにベースの音を大きく録音してもらいたいものだ。

  


  

YOU REALLY GOT A HOLD ME

 オリジナルはビートルズではないが、いかにも自分達が作った曲のように印象をあたえてくれるのは、やっぱり、ジョンのボーカルの上手さだろう。ジョンは、このようなスローなリズム&ブルースの曲を歌わせると、いつもと違った味をみせてくれる。ジョージとの掛けあわせも珍しい曲でもある。
 ポールのベースは、3連を多用し、どっしりとしたベーシックなプレイをしている。

   


I WANNA BE YOUR MAN

 リンゴボーカルの曲。初期のライブでよく演奏していたが、ライブでのリンゴのボーカルは、レコーディングの時と違い、迫力あるボーカルをしている。レコーディングでは、サビの部分は、リンゴが歌っておらず、ジョンとポールが歌っていて何か残念。ポールは、サビや間奏の部分で得意のランニングベースをし、ちょっと速めに弾いており、ノリをだしている。

  



DEVIL IN HER HEART

 女性ボーカルグループのドネイズの曲をジョージがリードボーカルしている曲。ポールとジョンは掛け合いコーラスと綺麗な3声のハーモニーを聴かせてくれる。ポールは、基本的な8ビートを落ち着いてプレイしている。

  


NOT SECOND TIME

  シンプルな曲でこれといって、凝った部分はあまりない曲だ。ポールは、普通にルート弾きをしていて、途中、8分音符で曲を盛り上げ変化をだしている。すごく、オーソドックスな曲だぁ。


 MONEY
ジョンのパワフルあるボーカルは、迫力があり最高の曲だ。
 腹の底からぶちかます歌い方は、初期の中では最高の部類に入るんじゃないかと思う。
 とにかく、ジョンのボーカル一筋という感じだ。
 ポールは、イントロのフレーズをピアノとユニゾンで弾いており、後は、8部音符連続だが、途中でハンマリングを使うなど細かいプレイをしている。